さく乳器を手動から電動に替えるべきか。ここで止まる人が一番多いと思います。うちも上の子のときから手動を使っていて、それで足りていました。二人目で足りなくなるとは思っていなかったんです。
結果として、妻の手は限界を迎えました。最終的には乳腺炎になっています。
先に結論を書きます。電動に替えて変わったのは、搾乳にかかる時間ではありませんでした。「搾らなきゃ」という気持ちの重さです。妻の言葉を借りると、電動にしてから抵抗感なく搾れるようになった、という感覚だそうです。
この記事では、同じ手動さく乳器が二人目で通用しなくなった経緯を書きます。そのうえで、ピジョンの電動さく乳器handy fit+に替えて分かったことをまとめました。弱点も隠さず書くので、買い替えを迷っている方の判断材料になれば嬉しいです。
上の子は母乳が足りず、下の子は余った
上の子のときは、むしろ母乳が足りませんでした。ミルクを足しながら育てていた時期が長かったです。
ただ、それでもさく乳器は使っていました。飲むタイミングが合わなかったり、途中で寝てしまってあまり吸ってくれなかったりする日があったからです。そういうときに手動で搾って対応していました。
なので、下の子が生まれたときも家にさく乳器はありました。当然これを使うつもりでいたわけです。
ところが、下の子は状況がまるごと逆でした。母乳の出がとても良くなったんです。
嬉しい誤算のように聞こえますが、実際は違いました。赤ちゃんが飲みきれないと、胸が張って痛くなります。娘は満足しているのに、妻だけがずっとつらそうにしている。この状態が毎日続きました。
病院で診てもらったところ、片側の乳腺が細いので出づらいのだろう、という説明でした。助産師さんからは、とにかく出すしかないと言われました。
つまり搾ることが、選択肢ではなく必須の作業になったわけです。上の子のときの「補助的に使う道具」から、位置づけが完全に変わりました。
同じ母親でも、子どもによって母乳の出方はまるで違います。しかも出産前には予測しようがありません。一人目で足りていた道具が二人目でも足りるとは限らない、というのが我が家の実感です。
二人目の準備で何を買い足したかは、こちらの記事にまとめています。

手動さく乳器はレバーを引く回数が限界だった
使っていたのは、ピジョンの母乳アシスト さく乳器 manualです。手動タイプで、レバーを握って搾るシンプルな構造でした。
安価ですし、電源も要りません。搾る量が少なければ、これで十分だったと思います。実際、上の子のときは何の不満もありませんでした。
問題は、母乳の量が多かったことです。搾る量が増えるほど、レバーを引く回数が増えていきます。妻いわく、やるたびにしんどい作業になっていたそうです。
手が疲れてくると、そこで中断せざるを得ません。すると搾りきれずに終わります。張りが残ったまま次の授乳を迎える、という悪循環でした。
途中からは僕が代わることも増えました。妻の手が限界になったら交代する、という形です。ただ、これが思ったより難しかった。
自分の身体ではないので、ちゃんと吸えているのかが分かりにくいんです。手応えの正解を知らないまま、たぶん合っているだろうという感覚で進めることになります。
もう一つ困ったのが、レバーを引くペースでした。どのくらいの速さで引くと効率よく搾れるのか、最後まで掴みきれなかった。自分の身体なら反応を見ながら調整できるはずですが、それができません。これは上の子のときからずっと感じていたことです。
手伝えているようで、あまり戦力になれていない感覚がありました。
そして、この状態が続いた末に妻は乳腺炎になりました。搾らなければいけないのに、搾りきれない。この時期がいちばんきつかったです。
手動が悪いという話ではありません。搾る量が少なければ、細かい力加減を自分で調整できる手動のほうが快適だと思います。うちの場合は、量に対して手が持たなかった。それだけの話です。
handy fit+に替えて変わったこと・変わらなかったこと
最終的に妻の手が限界を迎えて、電動を買いました。ピジョンのhandy fit+です。
楽天で通常10,360円のところ、1,500円オフクーポンを使って約8,800円でした。2026年8月時点の価格です。母乳実感哺乳びん160mlと乳首、アダプター、USBケーブルが付属していて、保証は1年ついていました。
初めて使ったのは夜中の寝室です。そのときの妻の第一声が「楽ちんだー!」でした。手動で手が限界に達した直後だったので、差が最大に感じられたタイミングではあります。それでも、レバーを引く動作から解放されたインパクトは大きかったようです。
洗うパーツが9個から5個に減った
いちばんはっきりしたメリットは、実は搾る動作ではなく後片付けでした。
洗うパーツが、手動は9個だったのに対して電動は5個です。数字だけ見ると地味ですが、毎日の話なので効いてきます。
さく乳器は哺乳びんと同じで、洗ったあとに消毒までする必要があります。泡スプレーを使って洗う手間は減らしていますが、それでもパーツが多いと単純に工程が増えます。並べて、洗って、消毒して、乾かして、組み立て直す。これを毎回やるわけです。
洗う量が4割減ったと考えると、十分な差だと思いました。
吸引は準備ステップが2段階、さく乳ステップが6段階に調整できます。LEDディスプレイで強さと時間が見えるので、暗い部屋でも操作できました。
使って分かった4つの弱点
まず駆動音です。無音ではありません。
うちは寝室で子どもと同じベッドにいる状態で使いましたが、下の子は起きませんでした。ただ、これは比較的よく寝てくれる子だからだと思っています。眠りが浅いお子さんだと起きる可能性はあります。
次に、電動でも手放しにはならない点です。本体は自分で押さえておく必要があります。クッションや台に載せれば一応ハンズフリーに近い形にはできますが、安定はしません。持っておく前提で考えたほうがいいです。
つまり電動化で消えるのは、レバーを引く労力であって拘束時間ではありません。ここを誤解して買うと期待外れになると思います。あくまで手の負担を減らす道具、という理解が正確です。
三つ目は、上から搾乳量が見えないことでした。どのくらい搾れたかを確認しながら進めにくいので、量の調整はしづらいそうです。
四つ目は、細かい吸引の調整はむしろ手動のほうがやりやすい点です。電動は段階が決まっているので、その中間が欲しいときに選べません。自分の手で加減できる手動の良さは、ここに残っています。
買う前に知っておきたい消耗品と仕様変更
シリコーンフラップ弁は消耗品で、別売りの交換部品として販売されています。
楽天のレビューには、購入して1ヶ月ほどで搾乳できなくなり、調べたら弁の劣化だったという投稿もありました。うちはまだその時期を迎えていないので、実際にどのくらい持つのかは検証できていません。ここは使い続けてから追記します。
本体価格だけで判断せず、消耗品が発生する前提で考えておくほうが安全だと思います。
もう一点、handy fit+は2026年2月に仕様が変更されています。ピジョン公式によると、リニューアル前後で弁と電動部と電動本体に互換性がありません。
うちが買ったものを確認したところ、リニューアル前のモデルでした。同じ商品名でも中身が違うので、交換部品を買うときは手元の本体がどちらなのかを必ず確かめてください。
安く売られている場合、リニューアル前の在庫という可能性もあります。すぐに困る話ではありませんが、部品を買い足す段階で効いてくる部分だと思います。
夜中に寝室で使う前提の方は、寝床まわりの環境も関係してきます。我が家の寝室構成はこちらにまとめています。

手動で足りる人、電動を検討していい人
判断の材料として、確認できた違いを整理します。使い心地のような感覚の部分は人によって変わるので、数えられる項目と仕様だけを並べました。
| 項目 | 手動 さく乳器 manual | 電動 handy fit+ |
|---|---|---|
| 洗うパーツ数 | 9個 | 5個 |
| 電源 | 不要 | 充電式(USBケーブル付属) |
| 吸引の調整 | 自分の手で加減 | 準備2段階・さく乳6段階 |
| 搾るときの手 | レバーを引き続ける | 本体を押さえる |
| 駆動音 | ほぼしない | する |
そのうえでの我が家の結論です。
搾る量が少なくて済む方なら、手動で全然問題ないと思います。価格も抑えられますし、細かい力加減は手動のほうが自由です。上の子のときのうちがまさにそうでした。
一方で、母乳がたくさん出て余ってしまう方。その影響で胸が張って痛い方。この場合は電動のメリットが大きいと感じました。
理由は時短ではありません。搾ること自体へのハードルが下がるからです。
手動だったころ、妻の中では搾乳が「やらなきゃいけない作業」になっていました。手が疲れると分かっているので、始めるまでに気持ちの助走が要る。電動に替えてからは、抵抗感なく手軽に搾ろうと思えるようになったそうです。
道具を替えて減ったのは、手の疲れだけではありませんでした。作業に取りかかるまでの心理的な重さが減った。これがいちばん大きな変化だったと思います。
もちろん1万円前後の買い物なので、迷って当然です。判断の目安としては、手が疲れて搾りきれずに終わる日があるかどうか。もしそれが続いているなら、検討する価値はあると思います。
長期の使用感については、弁の耐久性を含めてこの記事に追記していきます。
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