二人目が生まれて、しばらく経った頃の夜のことです。
2歳の娘が、授乳クッションをベッドから床に投げました。
「ママ、これやなの」
下の子に母を取られる。
その気持ちを、全力でぶつけてきた瞬間でした。
この記事は、その夜に何が起きて、僕が何を感じて、どう動いたかの記録です。二人目が生まれて上の子の気持ちにどう向き合うか、迷っているパパやママに何か届けばうれしいです。
役割が、自然と分かれ始めていた
二人目が生まれてから、我が家の夜は役割がはっきり分かれていきました。
お風呂はパパじゃなきゃ嫌だ。
寝るときはママじゃなきゃ嫌だ。
娘がそう言って譲らないので、自然とその形になっていったのです。
最初から夫婦で決めたわけではありません。娘の「これがいい」に合わせていたら、いつのまにかそうなっていました。
その夜も、いつも通りでした。
お風呂はパパがいいと言うので、僕が娘と一緒に入りました。妻はそのあとに入って、下の子に授乳して寝られる状態を整えていました。
ここまでは、何の問題もない夜だったのです。
授乳と寝かしつけの時間が、重なった
問題は、時間が重なったことでした。
下の子の授乳の時間と、上の娘の寝かしつけの時間が、ちょうどぶつかってしまったのです。
娘は先に寝室へ行って、寝る準備をしていました。
一方で下の子は、お腹を空かせて泣いていました。
妻は寝室で授乳しようと考えて、机に授乳クッションを用意しました。下の子の泣き声は大きくなっていきます。
そして妻が、ベッドの上に授乳クッションを置いた、そのときでした。
娘が、その授乳クッションをつかみました。
ベッドから床に向かって、勢いよく投げたのです。
「ママ、これやなの」
はっきりと、そう言いました。
「これはまずい」と思った
その瞬間、僕の中に走ったのは、驚きと申し訳なさでした。
ふだんは穏やかな娘が、ものを投げるほど強く拒んでいる。
その姿に、まず驚きました。
でも、それ以上に強く感じたことがあります。
このままだと、まずい。
下の子に授乳を続ければ、娘の気持ちはもっと荒れる。そして、その矛先が下の子に向いてしまうかもしれない。
そう直感したのです。
この「余裕を失うと矛先が子どもに向く」感覚は、妻の入院中にも一度経験していました。

娘にとっては、ママを下の子に取られる時間でした。お腹を空かせた赤ちゃんが優先されて、自分は後回しにされる。2歳の娘には、そう映っていたのだと思います。
授乳クッションは、下の子の象徴だったのでしょう。
それを投げることでしか、娘は気持ちを表せなかった。
こうした上の子の変化が赤ちゃん返りなのか、それとも別のものなのかは、妻に聞いて整理した記事があります。

授乳をやめて、娘を最優先にした
僕たちが選んだのは、いったん授乳をやめることでした。
下の子の授乳は、僕が抱っこして引き受けることにしました。
そして妻には、娘の寝かしつけに集中してもらいました。
娘が「ママがいい」と言ってくれている。
それなら、その気持ちを最優先にしようと考えたのです。
下の子は泣いていましたが、少しの時間なら抱っこで持ちこたえられます。
それよりも、娘の「ママに寝かしつけてほしい」という気持ちを、後回しにしたくありませんでした。
ここで娘の気持ちを押しのけてしまえば、娘はもっと下の子を「自分からママを奪う存在」だと感じてしまう。
それだけは避けたかったのです。
あの夜から、我が家の順番が決まった
あの夜の選択は、そのまま今の我が家の形になりました。
今は、先に娘を寝かしつけます。
下の子がお腹を空かせて泣いていても、僕が別の部屋で抱っこをして、授乳のタイミングを待ちます。
順番を、はっきり決めたのです。
上の子が先、下の子は少し待ってもらう。
もちろん、下の子をないがしろにしているわけではありません。抱っこであやしながら、授乳までの時間をつなぐ。それで下の子も、なんとか待ってくれています。
完璧なやり方かどうかは、正直わかりません。
下の子をもっと待たせていいのか、迷う夜もあります。
それでも、娘が授乳クッションを投げたあの夜に感じた「これはまずい」という直感を、僕は信じることにしました。
上の子の気持ちを後回しにしない。
我が家にとっては、それが今の判断軸になっています。
同じ夜を過ごしているパパ・ママへ
二人目が生まれると、上の子の気持ちと下の子のお世話が、真正面からぶつかる瞬間があります。
どちらも大切で、どちらも待ったなしです。
我が家は、上の子を先にする順番を選びました。
それが正解かどうかは、家庭によって違うと思います。
ただ、上の子が見せる「これやなの」という拒否は、わがままではありません。
ママやパパを取られる不安を、必死に伝えているのだと、僕はあの夜に教わりました。
その気持ちに、まず気づいてあげる。
順番をどうするかは、そのあとで決めればいいのだと思います。
妻が出産で入院した5日間、2歳の娘と過ごした記録はこちらにまとめています。

寝かしつけそのものについては、妻が実践してきたルーティンを紹介しています。

上の子が下の子のまねをしたがった話も書いています。

2歳の子どもの気持ちとの向き合い方は、イヤイヤ期の記事でも書いています。




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